株を買うのにお金がもらえる!? 振り込め詐欺ではありません
こんばんは。
先週末から日経平均が動かないので、システムトレードはお休み中。
ところで今日は、ちょっと面白い話
「上場したら間違いなく今の100倍以上になる株式が特別に安く買えるので、先に100万円振り込んでくれたら、その権利を差し上げます。」
という儲け話を持ち掛けられ、100万円振り込んだら騙された
という詐欺話を聞いたことありますよね。
では、こちらはどうでしょう?
株式が今より安く買える上に、お金までもらえますよ。
なんか、さらに怪しいですよね 。
でもホントなんです!
これ、オプションを使うと、可能なんです!
「プットオプションの売り」ってご存知ですか?
オプションをかじったことがある人なら
損失無限大の最も危険な取引っていう印象が強いかもしれません。
たしかに損益曲線はこんな感じです(例:プット22000円売り)
日経平均が22000円を切ると、谷底にまっしぐらという感じですね。
プットオプション売りは、難しく言うと「売る権利」を売るみたいな説明をしますが、別の言い方をすると、「買う義務」を引き受けることになります。
たとえば、日経平均が20000円に下がった場合、22000円のプットオプションを売った人は、22000円で買わなければなりません。
(いきなり、約200万円の損失を抱えてしまいます。怖いですね。)
例えば日経平均ではなく、日本を代表するトヨタ自動車の株式だったらどうでしょう。
トヨタ自動車の最近6カ月の日足はこんな感じです。
6ヶ月の最安値が6045円、最高値が7097円
このところレンジを上抜けして、最高値7097円をうかがう勢いですね。
そこで、Aさんは、6800円まで下がってきたら押し目買いしたいと考えます。
一方、トヨタの株を持っているBさんは、高値の7097円を抜けずに下げてきたら、6800円で確実に利益があるうちに売却したい考えます。
このAさん、Bさんの間を取り持つのが「プットオプション」です。
Bさんは、Aさんが株価が急落した場合でも必ず6800円で買ってくれるのでしたら、安心料(保険料)として30円支払ってもよいと考えます。(プットオプション買い)
Aさんは、例え一時的にトヨタ株が下がったとしても、日本を代表する会社であり、長い目でみれば6800円の買いはお得だと考えています。その上、30円もらえるのならば、6800円で買い取ることを約束します。(プットオプション売り)
Aさんから見れば、「トヨタ株を今より安く買え、さらにお金までもらえる」ことになりませんか?
もし、トヨタ株が6800円まで下がってこなければ、Bさんから受け取った30円は貰い得です。
仮に6800円以下になったとしても、当初から6800円では押し目買いしたいと考えていたので、貰った30円を引いた6770円で更に安く買えることになります。
この取引ですが、有価証券オプション、通称「かぶオプ」と呼んでいて、JPXの有価証券オプションサイトで取り扱い銘柄が掲載されています。こんな感じ↓
スゴくないですか!
ただ日本では、取り扱える証券会社が限られているうえ、流動性がかわいそうなくらいないのが大きな欠点です。
(日経平均VI先物の流動性がすごく良くみえてしまいます(笑))
ところが、アメリカ市場だと、こんな取引が当たり前にできてしまいます。
さすが金融大国のアメリカですね。
それを実践し、詳しくブログで説明している人がいます。
「オプションてんはち」さんです。
銀と米国株を使って、説明したような取引を行っています。
私も少しずつ国際分散投資をはじめようかな(笑)